※本記事は法務省Q&A形式解説資料(民法編)をもとに、当事務所の弁護士松野絵里子が独自にかみ砕いて解説したり、意見や感想を加えたものです。個別の問題について意見を明らかにするものではありません。個別の事案については、ご自身の弁護士に確認してください。当事務所では、親権や監護権に関しての法律相談をお受けしております。
参考:
1. 「これは日常?それとも共同で決めること?」一番揉めやすい境界線
第4回では、共同親権の行使方法の基本ルール(署名押印の要否、連絡への無返答時の対応、急迫の事情の考え方など)を扱いました。今回はその中でも実務上もっとも頻繁に問題になる、「監護及び教育に関する日常の行為」に該当するかどうかの線引きを取り上げます。
日常の行為に該当すれば、共同親権者の一方が単独で決めることができます。該当しなければ、原則として父母の共同の意思決定が必要です。この線引きを間違えると、良かれと思ってした決定が後々のトラブルの種になりかねません。今回は総論と、居所(転居)・旅行・日々の世話といった生活場面を中心に解説します。学校教育・医療に関する具体的な線引きは、次回以降で扱う予定です。
2. 法務省Q&Aコメンタリー:日常の行為の線引き(民法824条の2関係)
3. まとめ
「日常の行為」に当たるかどうかは、「子への影響の重大性」を軸に考えると整理しやすくなります。日々の身の回りの世話や短期の旅行は単独で判断できる一方、転居は原則として父母の協議が必要という点は、特に注意が必要です。ご自身のケースでどちらに当たるか迷われた場合は、お早めに無料相談をご利用ください。
参考文献
- 法務省「Q&A形式の解説資料(民法編)」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00377.html
共同親権シリーズ
- 第1回:父母は離婚後も互いの人格を尊重し協力する義務を負います。その中身を解説します。
- 第2回:裁判所が単独親権と共同親権のどちらを選ぶか、その判断枠組みを解説します。
- 第3回:一度決まった親権者を後から変えられるのはどのような場合かを解説します。
- 第4回:共同親権になった後、何を二人で決め、何を一人で決められるのかの基本ルールです。
- 第5回:転居、旅行、日々の世話。どこまでが「日常の行為」にあたるのかを線引きします。
- 第6回:入学手続や学校行事に、別居親はどう関わるのか。学校対応の実際を扱います。
- 第7回:手術やワクチン接種は一人で決められるのか。医療の場面を取り上げます。
- 第8回:習い事、宗教教育、財産管理、養子縁組。「監護の分掌」という制度も解説します。
- 第9回:「面会交流」が「親子交流」へ。改正で何がどう変わったのかを整理します。









