共同親権シリーズ第5回:「日常の行為」とは何か?転居・旅行・日々の世話の線引き(民法824条の2)

※本記事は法務省Q&A形式解説資料(民法編)をもとに、当事務所の弁護士松野絵里子が独自にかみ砕いて解説したり、意見や感想を加えたものです。個別の問題について意見を明らかにするものではありません。個別の事案については、ご自身の弁護士に確認してください。当事務所では、親権や監護権に関しての法律相談をお受けしております。

参考:

1. 「これは日常?それとも共同で決めること?」一番揉めやすい境界線

第4回では、共同親権の行使方法の基本ルール(署名押印の要否、連絡への無返答時の対応、急迫の事情の考え方など)を扱いました。今回はその中でも実務上もっとも頻繁に問題になる、「監護及び教育に関する日常の行為」に該当するかどうかの線引きを取り上げます。

日常の行為に該当すれば、共同親権者の一方が単独で決めることができます。該当しなければ、原則として父母の共同の意思決定が必要です。この線引きを間違えると、良かれと思ってした決定が後々のトラブルの種になりかねません。今回は総論と、居所(転居)・旅行・日々の世話といった生活場面を中心に解説します。学校教育・医療に関する具体的な線引きは、次回以降で扱う予定です。

2. 法務省Q&Aコメンタリー:日常の行為の線引き(民法824条の2関係)

3. まとめ

「日常の行為」に当たるかどうかは、「子への影響の重大性」を軸に考えると整理しやすくなります。日々の身の回りの世話や短期の旅行は単独で判断できる一方、転居は原則として父母の協議が必要という点は、特に注意が必要です。ご自身のケースでどちらに当たるか迷われた場合は、お早めに無料相談をご利用ください。

参考文献

共同親権シリーズ

  1. 第1回:父母の責務と人格尊重・協力義務(民法817条の12)
  2. 第2回:単独親権か共同親権か、裁判所の判断基準(民法819条7項)
  3. 第3回:親権者変更が認められるケース(民法819条6・8項)
  4. 第4回:共同親権になったら、日々の子育てはどう回す?行使方法の基本ルール(民法824条の2)
  5. 第5回:「日常の行為」とは何か?転居・旅行・日々の世話の線引き(民法824条の2)
  6. 第6回:学校行事、入学手続、緊急連絡 共同親権と学校対応の線引き(民法824条の2)
  7. 第7回:手術、ワクチン、服薬 医療の場面での共同親権の線引き(民法824条の2)
  8. 第8回:「監護の分掌」とは?習い事・宗教教育・財産管理と、監護者指定・親権行使者指定との使い分け(民法824条の2・766条)
  9. 第9回:「面会交流」から「親子交流」へ今回の改正で何が変わったか

📝 監修者(最終更新日:2026年7月)

松野絵里子 弁護士|東京ジェイ法律事務所
国内最大手の渉外法律事務所にて20年以上経験を積み、離婚・財産分与・国際離婚・富裕層の資産分割など複雑案件を多数手がける。現在はオンライン対応・全国対応で離婚専門の法律相談を提供。費用の透明性にもこだわり、複雑な財産分与事案の和解的解決も得意な弁護士。共同親権の推進でも経験が多く、知名度がある。

記事監修者: 弁護士 松野 絵里子

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