※本記事は法務省Q&A形式解説資料(民法編)、および参議院法務委員会調査室がまとめた国会論議の記録をもとに、当事務所の弁護士松野絵里子が独自にかみ砕いて解説したり、意見や感想を加えたものです。個別の問題について意見を明らかにするものではありません。個別の事案については、ご自身の弁護士に確認してください。国会答弁の引用部分は、原典(国会会議録検索システム等)との照合をお願いします。当事務所では、親権や監護権に関しての法律相談をお受けしております。
参考:
- 法務省「Q&A形式の解説資料(民法編)」
- 参議院常任委員会調査室・特別調査室「令和6年民法(家族法制)改正に関する国会論議」(『立法と調査』2024年11月号)
1. 施行前の離婚でも、親権者変更を申し立てられる
第1回・第2回で見てきた「単独親権か共同親権か」の判断基準は、これから離婚する夫婦だけの話ではありません。改正法の大きな特徴の一つが、すでに単独親権として離婚が成立している夫婦も、施行後に共同親権への変更を申し立てられるという点です(法務省Q&A、Q3-15)。逆に、共同親権となった後でも、事情の変化により単独親権への変更を申し立てることができます。ここが、離婚がすでに成立している方にとって特に重要なポイントです。
2. 法務省Q&Aコメンタリー:親権者変更(民法819条6・8項関係)
3. まとめ
親権者変更は、すでに離婚が成立している方にとっても選択肢になり得る制度です。ただし、これまでの養育費の支払いや子との関わり方といった実績が重要な判断材料になるため、「今の状況を変えたい」とお考えの方は、まずご自身のこれまでの経緯を整理したうえで、早めにご相談いただくことをお勧めします。ご不安な点がありましたら、お気軽に無料相談をご利用ください。
参考文献
- 法務省「Q&A形式の解説資料(民法編)」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00377.html - 参議院常任委員会調査室・特別調査室「令和6年民法(家族法制)改正に関する国会論議」『立法と調査』2024年11月号
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2024pdf/20241101117.pdf - 国会答弁の原典確認用:国会会議録検索システム
https://kokkai.ndl.go.jp/ - 親子交流への協力姿勢が監護者・親権者の適格性判断で考慮された裁判例について:福岡家裁平成26年12月4日審判(子が面会交流を楽しんでいることへの罪悪感を抱かせる言動が問題視され親権者変更につながったとされる事案)、大阪高裁平成30年8月2日決定、東京高裁平成30年5月29日決定等(山口亮子「面会交流権の憲法上の権利」新・判例解説Watch民法(家族法)No.127、2022年で紹介されているものを参考に確認。二次資料経由の情報であるため、掲載前に家庭裁判月報等の一次資料での確認を強く推奨します)
共同親権シリーズ
- 第1回:父母は離婚後も互いの人格を尊重し協力する義務を負います。その中身を解説します。
- 第2回:裁判所が単独親権と共同親権のどちらを選ぶか、その判断枠組みを解説します。
- 第3回:一度決まった親権者を後から変えられるのはどのような場合かを解説します。
- 第4回:共同親権になった後、何を二人で決め、何を一人で決められるのかの基本ルールです。
- 第5回:転居、旅行、日々の世話。どこまでが「日常の行為」にあたるのかを線引きします。
- 第6回:入学手続や学校行事に、別居親はどう関わるのか。学校対応の実際を扱います。
- 第7回:手術やワクチン接種は一人で決められるのか。医療の場面を取り上げます。
- 第8回:習い事、宗教教育、財産管理、養子縁組。「監護の分掌」という制度も解説します。
- 第9回:「面会交流」が「親子交流」へ。改正で何がどう変わったのかを整理します。











