養育費よくある質問QA

1. 相場・金額に関する質問

Q1. 養育費の相場はいくらくらいですか?
A. 家庭裁判所が実務で用いる「算定表」によって、支払う側・もらう側双方の年収と、子どもの人数・年齢から標準的な金額の目安がわかります。一般的な会社員の家庭で子ども1人の場合、月額4万円〜6万円程度になるケースが多く見られますが、双方の年収によって大きく変動します。正確な金額を知りたい場合は、双方の収入資料をもとに算定するのが確実です。

Q2. 算定表通りの金額しかもらえないのですか?
A. 算定表はあくまで標準的な目安であり、法律ではありません。私立学校の学費や特別な医療費など、算定表が想定していない事情(特別事情)がある場合には、加算・減算の調整が可能です。

Q3. 相手が自営業者で収入がわかりにくいのですが、どう算定しますか?
A. 自営業者の場合は確定申告書の「課税される所得金額」を基礎としつつ、税務上の控除で現実の支出ではないもの(青色申告特別控除など)を加算調整して収入を認定するのが一般的です。

Q4. 相手が収入を偽っている・資料を出してくれません。
A. 調停や審判の手続きでは、裁判所を通じて勤務先などへの調査嘱託が可能です。それでも収入が不明な場合は、賃金センサス(統計上の平均賃金)を用いて推計されることがあります。

2. 決め方・手続きに関する質問

Q5. 養育費は離婚前に決めておかないといけませんか?
A. 法律上は離婚時に養育費について協議することとされていますが、協議離婚では決めずに離婚届を出すことも実務上は可能です。ただし、後から取り決めるのは相手との連絡が取りにくくなるなど難しくなることが多いため、離婚時にきちんと合意しておくことを強くおすすめします。

Q6. 話し合いだけで決めても大丈夫ですか?
A. 話し合いでの合意自体は有効ですが、口約束や簡単なメモだけでは、不払いになったときに強制執行ができません。強制執行認諾条項付きの公正証書にしておくことで、将来の不払いに備えることができます。

Q7. 公正証書はどこで作れますか?
A. 公証役場で、公証人に依頼して作成します。合意内容を弁護士に整理してもらったうえで公正証書化すると、後日の解釈トラブルを防ぎやすくなります。

Q8. 調停ではどのくらいの期間がかかりますか?
A. 申立てから1か月程度で最初の期日が設定されるのが一般的です。合意に至るまでの期間は事案によって異なりますが、数か月程度かかることが多いです。

3. 支払期間・終了時期に関する質問

Q9. 養育費はいつまでもらえますか?
A. 合意内容によります。「18歳まで」「20歳まで」「大学卒業まで」など、話し合いで自由に決めることができます。家庭裁判所の実務では、両親が大学卒業している場合、大学卒業までとする決定が出ることも多いです。

Q10. 子どもが成人(18歳)したら自動的に終わりますか?
A. 成年年齢は18歳ですが、養育費の支払終期は成人年齢と連動するとは限りません。合意や審判で「20歳まで」「大学卒業まで」と定めていれば、その内容が優先されます。

Q11. 過去の未払い分もさかのぼって請求できますか?
A. 具体的な金額が取り決められていた場合は、過去分も請求可能です。ただし、月々の養育費請求権は5年(調停・審判で決まったものは10年)の消滅時効にかかるため、放置しないよう注意が必要です。

4. 不払い・強制執行に関する質問

Q12. 養育費を払ってもらえません。どうすればよいですか?
A. まずは任意の支払いを求めることが基本ですが、応じない場合は、調停調書・審判書・公正証書(強制執行認諾条項付き)などの債務名義があれば、相手の給与や預貯金、不動産に対する強制執行が可能です。

Q13. 公正証書を作っていない場合はどうなりますか?
A. 公正証書がない場合、まずは家庭裁判所に養育費の調停を申し立てる必要があります。合意できれば調停調書が作成され、これが債務名義となります。

Q14. 強制執行で将来分もまとめて差し押さえられますか?
A. はい。養育費は継続的に発生する債権であるため、一度の差押え手続きで、将来分についても給与などから継続的に取り立てることができます。

Q15. 相手が転職して勤務先がわからなくなりました。
A. 財産開示手続きや第三者からの情報取得手続きなど、相手の勤務先・財産を調査するための法的手続きがあります。弁護士に相談のうえ進めることをおすすめします。

5. 増額・減額に関する質問

Q16. 子どもが私立中学に進学することになりました。増額はできますか?
A. 算定表は基本的に公立の教育費を前提としているため、私立進学が「予測できなかった重大な事情変更」にあたる場合には、増額請求が認められることがあります。

Q17. 相手の年収が下がったので減額したいと言われています。
A. 収入減少が本人の意思によるものでなく、やむを得ない事情による場合は、減額が認められる可能性があります。一方、自らの意思で収入を下げた(転職を選んだ等)場合は、簡単には認められません。

Q18. 算定表より高い金額で合意してしまいました。あとで減らせますか?
A. 合意当時から事情が大きく変わっていない限り、単に「算定表より高いから」という理由だけでは減額は認められにくいです。事情変更の原則が適用されるには、予測できなかった重大な変化が必要です。

6. 特殊なケースに関する質問

Q19. 相手が再婚しました。養育費は変わりますか?
A. 相手の再婚自体は直接の減額理由にはなりませんが、再婚相手との間に新たに子どもが生まれ、扶養家族が増えた場合は、事情変更として減額が検討されることがあります。

Q20. 自分が再婚し、子どもが再婚相手と養子縁組しました。養育費はどうなりますか?
A. 子どもが再婚相手と養子縁組すると、再婚相手にも扶養義務が生じます。この場合、実親の養育費支払義務が軽減・場合によっては免除されることがあります。

Q21. 海外に住んでいる相手に養育費を請求できますか?
A. 可能ですが、相手が海外在住の場合は送達や執行の手続きが複雑になります。国際的な養育費の取り立てに関する条約(子の養育費の国際的な回収に関する条約)が利用できる場合もあるため、専門的な検討が必要です。

Q22. 子どもが障害や病気を持っている場合、養育費は増えますか?
A. 継続的な医療費や介護のための費用がかかる場合は、特別事情として養育費の増額が認められることがあります。

Q23. 養育費をもらう側が再婚した場合はどうなりますか?
A. もらう側本人の再婚自体は直接の減額理由にはなりません。ただし、子どもが再婚相手と養子縁組した場合は、上記Q20と同様の考え方が適用されます。

7. 無料相談のご案内

ご自身のケースでどのくらいの養育費が妥当か、不払いへの対応方法、増額・減額の可否など、状況に応じた具体的なアドバイスが必要な方は、当事務所の弁護士による無料相談(1時間・オンライン可)をご利用ください。

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受付:平日 9:30~22:00/土曜・日曜・祝日 9:30~15:00

📝 監修者(最終更新日:2026年7月)

松野絵里子 弁護士|東京ジェイ法律事務所
国内最大手の渉外法律事務所にて20年以上経験を積み、離婚・財産分与・国際離婚・富裕層の資産分割など複雑案件を多数手がける。現在はオンライン対応・全国対応で離婚専門の法律相談を提供。費用の透明性にもこだわり、複雑な財産分与事案の和解的解決も得意な弁護士。共同親権の推進でも経験が多く、知名度がある。

記事監修者: 弁護士 松野 絵里子

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