特別受益とは、被相続人から相続人の一部が受けた特別な贈与や遺贈のことです。
住宅資金の援助や事業資金の贈与など、特別受益に該当しやすい具体例と、該当しにくいケースの違いを解説します。
Contents
特別受益が認められる具体例 Q&A
特別受益として認められるものはなにですか?
特別受益は「婚姻、養子縁組、生計の資本として受けた贈与」を指します。
生計の資本として・・・・というのはどういう意味?と思われるでしょうから、個別にご説明していきます。
生計の資本として受けた贈与とは?
「生計の資本」というのは、贈与金額がある程度高額で、相続分の前渡しと言える程度の金額のもののことです。現実には、裁判所が判断するのですが、短期間で費消されるような金額のものは対象になりません。
贈与はすべて特別受益となりますか?
生前贈与がすべて特別受益となるのではなく、「相続財産の前渡しとみられる」かどうかで判断をされます。裁判所は、最終的には、「相続人間の衡平」を考慮して判断するでしょう。 被相続人の生前の資産,収入,家庭状況に照らして,総合的に決定されるべきことになると大阪家裁はいっています(大阪家裁堺支部 昭和35年8月31日)。 民法では、はすべての生前贈与をもって特別受益財産とみなしているわけではなく「婚姻、養子縁組のためもしくは生計の資本として贈与を受けた」財産に限っていますから、すべての贈与が特別受益となるという定めではないのです。そのため、少額の贈与は特別受益とはみなされるべきではないとされています。
婚姻、養子縁組のときに贈与された持参金、支度金は特別受益か?
持参金は扶養義務の範囲でのものは特別受益となりません。
持参金は、金額によってはその後の生計の資本となる可能性があるでしょう。
居住用不動産、農地、営業資産などは特別受益か?
こういった資産は通常、高額であり短期間の費消は考えられず、相続分の前渡しと言えるのでしょう。ただし、被相続人の生活状況、社会的地位、贈与の動機、贈与額等が考慮されて、裁判官が判断します。扶養義務の範囲内のものは特別受益とならないでしょう。
住宅購入資金の援助は、特別受益になりますか?
ある程度の金額のものは、まさに生計の資本となるので特別受益です。新築祝い程度のものでは特別受益ではないでしょう。
多額の債務の免除や代位弁済をしてもらうと特別受益か?
被相続人がある相続人の債務を肩代わりしたとか債務を、除をした場合、その結果、債務が減り、相続人としては大きな利益を得たのであれば、特別受益となるでしょう。
遺贈(遺言によってもらったもの)は特別受益か?
遺贈は、特別受益となります。
結納金や挙式費用は、特別受益になるのか?
結納金や挙式費用については、特別受益でないという見解が有力になっていますが、金額や贈与をした側の趣旨にもよるでしょう。結納金は結婚相手の親への贈与と考えられますので相続人がもらったといえないでしょう。また、結婚式の費用は費消してしまうため、手元に残らないことから、生計の資本と言えないでしょう。
大学の入学金・学費は、特別受益になるのか?
通常では、大学の入学金や学費は扶養の結果であり、遺産の前渡しと言えないとして、特別受益にならないことが多いです。しかし、親の経済力や社会的地位を超えた不相当に高い学費は特別受益にあたるとされています(私立の医学部の学費など)。
相続分の無償譲渡は特別受益ですか?
贈与となり、特別受益となります。最高裁平成30年10月19日判決が「共同相続人間においてされた無償による相続分の譲渡は、譲渡に係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産の価額等を考慮して算定した当該相続分に財産的価値があるとはいえない場合を除き・・・・「贈与」に当たる。」としています。
生命保険金は特別受益か?
生命保険金は、保険契約に基づき受取人が確定するので原則としては、受取人固有の財産と扱われ、特別受益に該当しません。もっとも、例外的な場合があります。
詳しくは下記の記事をご欄ください。
< 生命保険は、遺産分割(相続)の対象・特別利益 >







