ハーグ条約

日本へ子を連れて帰りたいのですが、再度元の居住国に戻ると、刑事罰を受けることがありえますか?

共同親権下で、他の親権者の同意なく子を国外へ連れ出すことが誘拐罪となるような国は多々あります。米、英、仏、豪等がそうです。

よって、子どもを連れて国をまたぐ場合には、現地の弁護士等に相談する等して、その国の法制度をよく理解する必要があります。

ハーグ条約の下では、原則として、子の返還手続きでは、返還を裁判所が命じることが原則となっています。親権や監護権など子どもに関することは、子どもが生活していた国(常居所地国といいます)の裁判所で決めるべきであるという考えが背景にあります。よって、子どもが育ってきた場所から違う国へと連れてきた親は、たとえつらい状況になろうとも、まずは元の国に子どもを返して、その国で親権や監護権の裁判をするべきであるということなのです。これによると、親が自分に有利な法律がある国を選んで国をまたいで移動することが防げるからという政策的理由がハーグ条約にはあります。

ハーグ条約の具体的な手続は、話し合いで解決しなければ、日本でハーグ条約の裁判を残された親が原告となってして、連れ去られた先の国の裁判所が、つれてきた親に対して子の返還を命じるというものです。それでも、連れ去った親が返さない場合は、残された親が、強制執行の手続きを裁判所に申し立てて、強制執行が行われて子が国に戻されます。

ですので、子を連れてその国を出てしまって、それがその国で刑事罰の対象となる場合、その後、子の返還の裁判で返還が命じられると、子とともにその国にもどらなければならなくなりますが、その際に刑事罰を受ける可能性がでてきます。

弁護士 松野 絵里子

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