1. 相続の際にもらえるものが不当に少ない場合の対応方法とは?
遺言書があるために、自分の相続分がすくない・・・というご相談をよく受けますが、こういう場合には、状況に応じていくつかの対処法があります。
遺言書があるとその内容は原則として優先されます。しかし、相続人全員の合意や、遺言の無効性を証明することで、遺言と異なる遺産分割が可能となってきます。
2. 話し合いによる解決
相続人全員で話し合って、遺言と異なる分割をすることは可能ですが、これはなかなか難しいです。遺言書の内容に納得がいかないということを説明して、他の相続人、受遺者(財産を譲り受ける人)、遺言執行者と話し合いをして、全員の合意ができれば、遺言書を無視して別の内容で遺産を分けることができます。
しかし、通常は、遺言で有利な相続ができる人が反対するので、これはとても困難でほぼ
不可能でしょう。かつ、遺言書の中で「遺産分割の禁止」がされている場合は、5年を超えない期間内では、それができません。
3. 遺言の無効を主張する方法
この「遺言の無効」を主張する方法を考えることもできますが、それには遺言が無効だと解される状況が必要です。遺言書が法律的な要件を満たしていない場合とか、遺言者が、認知症がひどくて遺言する能力がない場合には、遺言が無効となる可能性があるからです。この方法をとるかどうかは、以下の事項を確認しましょう。
- 自筆証書遺言の場合、全文自筆、日付、署名、押印の不備がないか(※財産目録は手書きでなくてもよいです)。
- 遺言書を書いた時期において、認知症ではなかったのか?どの程度であったのか?どういう状況で遺言を書いたのか?
そして、調停を申し立ててそこで遺言が無効であることを関係者全員が合意できれば、遺産分割協議を開始して、遺言書を無視することができます。合意ができない場合は「遺言無効確認訴訟」を行うしかありません。
4. 「遺留分」を請求する
遺言によって極端に財産が少ない、あるいは全く財産を受け取れない場合、法定相続人は「遺留分(最低限相続できる財産)」を主張できます。これは、遺留分侵害額請求権と言われます。これで、一定の金銭的な権利が実現できます。
この権利は、従前は「遺留分減殺請求権」と呼ばれていました。







