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1. 離婚後は、外国人のビザ(在留資格)どうなるのか?
離婚した後、日本人ではない人が、日本に在留を希望する場合、配偶者に関する届出が必要です。
配偶者と離婚した場合、配偶者ビザの在留資格を有する人は、14日以内に最寄りの地方出入国在留管理局に届けをする義務があります。届出方法は、管轄の出入国在留管理局に行くか、郵送になります。在留カードの写しを一緒に送付する必要があります。
これは配偶者に関する届出といわれる届け出です。
送付先:〒108-8255
東京都港区港南5-5-30
東京出入国在留管理局
在留管理情報部門届出受付担当
>法務省「配偶者に関する届出」 HP参照
法律により、「在留資格(ビザ)の該当性がない」まま半年以上が過ぎると、配偶者ビザは取り消しの対象となりますので、気をつけましょう。「正当な理由なく配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合在留資格の取り消しの対象」は、入管法第22条4の2の7に定められています。
2. 離婚の後、その届出をしたら外国人はどうするか?
離婚した元の外国人配偶者が、離婚後も引き続き日本に住むことを希望する場合には、他のビザを取得する必要があります。
定住ビザに変更をすることを検討するべきでしょう。このためには、出入国在留管理局への在留資格「定住者」への変更許可申請が必要になります。
この定住者への変更の場合には、通常、以下の要件が必要であると考えられています。
- 実態のある結婚生活が三年以上あったこと。
- 離婚後も独立して生計を営む資産又は技能を有すること。
結婚していた期間において、現実に日本に住んでいたことが必要になります。かなり長く、本国に帰っていたとか、結婚していても別居していたような場合、条件を満たさないことになります。
3. 日本人の実子がいる場合
子が日本国籍を有していて、その子が未成年者でその子を日本で監護・養育する場合には、この定住者への在留資格変更は認められやすいと考えられます。
4. 在留資格変更許可申請に必要な書類
一般的には、以下の書類が必要となります。
- 在留資格変更許可申請書
- 前配偶者(日本人)の戸籍謄本
- 申請人の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
- 申請人の在職証明書(又は収入証明書)
- 日本在住の身元保証人からの身元保証書
- 身元保証人の住民票
5. 未成年の子がいるような場合の定住者ビザへの変更
離婚した後、子の親権者(監護者)であるなら、結婚期間が3年未満でも変更が可能です。日本人実子養育定住とされると許可がされます。
収入面は、子を養育している場合、あまり重要ではなくなります。養育費も加味されます。
また、現に相当期間、養育をしていたという実績も重要な要素です。
子を養育するために定住する場合、「日本人実子の養育のために定住するもの」として許可がされます。
これについては、正式な通達がありますので、これに沿って許可が得られることになります。平成8年7月30日付けの通達です。
日本人の実子を扶養する外国人親の取扱について
平成8年7月30日(法務省入管管理局)
現行取扱い及び本通達発出の背景
日本人の実子を扶養する外国人親については、法務大臣が諸般の事情を考慮して「定住者」と認めることが相当と判断したときには、ケースバイケースで当該外国人親の在留を認めてきたところ、最近、この種の事案が増加し、統一的な取扱いを定める必要性が生じていた。
趣旨及び目的
日本人の実子としての身分を有する未成年者が、我が国で安定した生活を営むことができるようにするため、その扶養者たる外国人親の在留についても、なお一層の配慮が必要であるとの観点から、入国在留審査の取扱いを定めたものである。
今後の取扱い
(1)日本人の実子を扶養する外国人親の在留資格について
未成年かつ未婚の実子を扶養するため本邦在留を希望する外国人親については、その親子関係、当該外国人が当該実子の親権者であること、現に相当期間当該実子を本邦において養育、監護していることが確認できれば、「定住者」への在留資格の変更を許可する。なお、日本人の実子とは、嫡出、非嫡出を問わず、子の出生時点においてその父又は母が日本国籍を有しているものをいう。実子の日本国籍の有無は問わないが、日本人父から認知されていることが必要である。
(2)在留資格変更後の在留期間更新の取扱い
実子が未だ養育、監護者を必要とする時期において、在留期間の更新申請時に実子の養育、監護の事実が認められない場合には、原則として同更新を許可しない。
(3)提出書類
- 身分関係を証明する資料
- 親権を行うものであることを証する書類
- 日本人実子の養育状況に関する書類
- 扶養者の職業および収入に関する書類
- 本邦に居住する身元保証人の身元保証書
6. 未成年の子がいない場合
親権者ではないとか、未成年の子がいない場合、別居をしていない期間の婚姻期間(生計が一つであった期間)が、3年以上は必要になります。期間が長いほど、定着性が高いと評価されますの、より許可がもらいやすくなります。
そして、一定の安定した収入が必要です。これは、自分で暮らしていけるだけの収入レベルが必要です。
3年以上の期間がない場合でも、離婚の原因によっては考慮されることもありますが、DVのためにシェルターに入ったなど、特別な理由が必要でしょう。
こちらから、変更が認められた事例と認められていない事例をみることができます。
https://www.moj.go.jp/isa/content/930002823.pdf
7. 離婚後の届出
日本で離婚した場合、届出を離婚後14日以内にすることが、原則です。
夫婦のいずれかが外国人の場合でも、日本の役所に婚姻届を提出している場合は、役所に離婚届を提出する必要があります。
離婚後の定住者への在留資格変更許可のために必要な書類(一般)
- 在留資格変更許可申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 前配偶者(日本人)戸籍謄本
- 申請人の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
- 申請人の在職証明書
- (日本に住む身元保証人の)身元保証書
- その保証人の住民票
- 申請人の住民票(世帯全員の記載が必要)
- 申請人に日本国籍子の親権者である場合はそれが判るもの(調停調書など)
*パスポートと在留カードは提示することになります。