離婚のためのカウンセリングがあるのをご存知でしょうか。円満に離婚したい方だけでなく、離婚したくない方の、夫婦関係の修復や再構築を図るために相談されるケースが増えています。相談内容のいろいろなパターンや相談料の相場などをご紹介します。
Contents
1. 離婚する人の主な原因
離婚する人が増えているかと思いきや、近年は減少傾向にあります。人口の減少が主な原因ですが、そもそも結婚する人が少なくなったのも理由の一つです。すっかりお馴染みの言葉となった熟年離婚まで待たずして、離婚する人も増えています。夫婦の数だけ離婚の理由はありますが、相談の多い内容は次の6つです。
1-1. パートナーの浮気
ワイドショーでも連日のように報道される浮気は、夫婦間の信頼関係を著しく損なう行為です。許す、許さないの前に違法行為ですので、離婚を考えるきっかけとして十分と言えます。ちなみに、浮気は犯罪ではないため、刑罰を科すことはできません。民事の問題ですので、浮気問題で出来るのは訴訟となります。
1-2. 浪費癖
キャバクラやギャンブルは有名ですが、車やバイク、近年はキャンプ用品など、趣味にお金を掛け過ぎるケースもあります。大きな金額のを勝手に購入するのではなく、少額のものをたくさん買い集めて浪費するという人もいます。息抜きの為の出費は必要経費ですが、度を過ぎれば生活に影響します。
1-3. DVやハラスメント
DVには殴る、蹴るといった直接的な暴力行為がある場合と、生活資金を渡さない経済的DVというものもあります。パートナーの人格を否定するモラルハラスメント。セックスレスの逆で、同意のないセックスの強要もモラルハラスメントになります。
1-4. 子育ての方針
二人の大切な子供の教育方針について、揉めることもあります。習い事をさせ過ぎる、勉強をさせ過ぎる。パートナーが全く子育てに参加しない。男の子だけ、あるいは女の子だけ可愛がるなどの贔屓をする人との子育ては、不安が募ります。
1-5. 価値観の違い
物の価値が分かるという事ではなく、例えば食べ物の好みが合わないと毎日の献立が大変です。毎日掃除しないとダメな人、数日に一度でいい人なども違う価値観を持っているので、日々のストレスが溜まってある日爆発することもあります。
1-6. 義実家と合わない
ドラマにすれば高視聴率を取れる嫁姑戦争は、それだけ感情移入できる身近な問題であると言えます。パートナーが自分より義実家を尊重する人物と夫婦関係を続けるのは、相当な覚悟が必要です。
2. 夫婦仲を修復するには
離婚するに至らなくとも、最近会話が少なかったり距離を感じてしまう場合は、夫婦仲を修復しなくては、いずれ離婚という選択肢が出てくる可能性もあります。回避するためには、今までと同じやり方ではいけません。少し視点を変えて接してみてはいかがでしょうか。
2-1. 感謝する
何気ない事にも、きちんと感謝の言葉を口にするようにしましょう。料理を作ってくれること。洗濯をしてくれること。掃除をしてくれること。子供の面倒を見てくれること。すべて当たり前ではありません。この時、相手が言ってくれないから自分も言わないとならず、自分から発していけるゆとりを持ちましょう。お礼を言われて嫌な気持ちになる人は少ないです。時間がかかるかもしれませんが、根気よく続けていきましょう。
2-2. 一緒の時間を作る
とにかく時間を共有します。食事の時間が合わないなら合わせる。先に食べてしまっていたら、相手が食べるときに同席する。同じテレビを見るなど、共通の話題ができるよう同じ空間で過ごしましょう。一緒にいても、誰かの悪口や不満を言ってはいけません。ポジティブなものを話題として選び、一緒にいて楽しいと相手に思ってもらう事を優先します。
3. 再構築が必要な場合
上記の方法で昔のように仲良くなれる場合もあれば、付き合い方を根本から変える再構築が必要な場合もあります。時が経てば立場も変わるため、結婚当初の考え方、価値観のまま生きていくことは不可能です。どうしてもずれてしまう事をマイナスに捉えるのではなく、お互い成長したと考え、歩み寄っていけるようにしましょう。
3-1. 具体的に話し合う
今までと何が違っていて、今後どうしていくのかを話し合います。自分の主張ばかりではなく、相手の話も遮らず最後まで聞きましょう。話をきちんと聞いて貰えるというのは、信頼感を覚える重要な行為です。お互いにヒートアップしやすい場合は、まず言い分を紙に書きだし、一つずつ冷静に妥協点を探します。その日にすべて解決しようとするのではなく、何日かに分けて相談することも大切です。
3-2. 言い方を考える
もし腹の立つ事があっても、自分が言われたくない言い方をしないようにしましょう。子供や部下を叱るような言い方をしていませんか。相手も自分と同じ大人として、尊重した言い方を心掛けます。突発的な怒りのピークは6秒と言われていますので、声をかける前に10秒ほど深呼吸して気持ちを落ち着けましょう。
3-3. お互いに1人の時間を作る
定期的に1人でリフレッシュする時間を設ける事で、上手くいく夫婦のパターンもあります。映画に行ったり、買い物に行ったり、美容院に行ったり、自分の為だけに時間とお金を使うと心に余裕が生まれます。お互い心に余裕があれば、衝突も回避できるでしょう。あまり1人で過ごしすぎると、結婚している意味を見失う人もいるかもしれません。1人で過ごした後に一緒の時間を持ち、今日はどんな事をしたかの報告しあうといいでしょう。
4. 2人だけでは解決が難しい時はカウンセリング
夫婦仲や離婚の相談をするなら弁護士を思い浮かべる人も多いでしょうが、カウンセラーを頼るのも有効な手段です。法律的な面からサポートしてくれる弁護士とは違い、カウンセラーは心理的な面からサポートしてくれます。
4-1. カウンセラーとは
よく、話し合いは第三者を交えて行う事を推奨されますが、それがどちらかの親族や友人であっては、偏ったものになりがちです。カウンセラーは、全く公平な立場からお互いの言い分を聞き、話の組み立て方や口調、態度などから心理状況を汲み取って、客観的な意見を述べられる仲介者です。メンタルケアも出来るので、ただ事実を突き付けるのではなく、傷つけにくい理解してもらいやすい言葉に変えて伝えてくれます。
4-2. カウンセリングの申し込み方
離婚のカウンセリングは、弁護士事務所が行っている事が多いです。インターネットなどで、まずは検索してみましょう。近くになかったとしても、電話やテレビ通話などのリモートカウンセリングがあるところもあります。最初から夫婦揃って受けずとも、1人で電話だけという対応もしてくれますので、安心してください。
4-3. 料金の相場
人気の高いカウンセラーは、料金が高額であることもあります。とはいえ、安さに釣られて粗悪なカウンセリングを受けても、解決に至らないのでは意味がありません。口コミなどを参考にしながら、しっかり力になってくれるカウンセラーを探しましょう。カウンセリングは通常は時間制となっており、1時間5,000円~15,000円が相場です。中には、夫婦揃って参加する合宿形式で行うユニークな所もあります。
4-4. カウンセリングを受ける注意点
お金の問題もありますが、一番はパートナーへの伝え方です。突然、一緒にカウンセリングを受けないかと誘われても、身構えてしまう人がほとんどでしょう。先ずは2人で話し合ってみて、これでは解決できないからお互いに公平な人に相談してみようと切り出すなど工夫してください。
5. 大切なのは未来を見据えて冷静に話し合うこと
どれだけ手を尽くしても、上手くいかない場合は勿論あります。しかし、挑戦してみないと改善は起こりません。何よりも大切なのは、パートナーを大切に、これからも隣で生きていきたいから一緒に考えるのだということを忘れず、素直な気持ちを伝えましょう。