相続手続

相続税トラブルはどこが難しい?弁護士・税理士に早めに相談して解決しよう!

相続税についてのトラブルは、遺産分割で揉めると起こりやすくなります。揉めても相続税申告期限は待ってくれないため、とりあえず相続税を支払い、後から税務署に再計算してもらう「更正の請求」を行うことになります。複雑なので、まずは弁護士と税理士に相談することです。

1. 相続で揉めても相続税の支払いは待ってくれない

遺産相続で揉めてしまい、遺産分割協議がまとまらないことは、遺産が多い場合珍しいことではありません。しかし、相続が発生してから10カ月で相続税の納付期限がやってきます。揉めているからという理由で納付期限を遅くしてもらうことはできませんし、揉めて協議がまとまらなくても、相続人は、相続税は支払わなければいけません。

1-1. 相続税はとりあえず支払い、後から再計算ができる

遺産分割協議がまとらなければ、相続人ごとにいくらの相続税がかかるのかを正確に計算することはできません。しかし、話し合いがまとまらなくても相続税は期限内に支払わなければいけませんので、そんな時には、とりあえず支払っておき、話し合いがまとまってから再計算してもらうということになります。そうしないと延滞税がかかってしまいます。

相続税を支払った後でも、後発的な理由があれば、既に支払った相続税を再計算してもらい、還付を受けることができます。これは、更正の請求と呼ばれている手続きで、相続税の申告期限から5年間という期間が設けられています。遺産分割協議で5年間も話し合いが全くまとまらないという例は少ないため、多くの場合には更正の請求をすることによって、多く払い過ぎた相続税の還付を受けるチャンスがあります。遺産分割は弁護士がはいる交渉でまとめられなくても、その後で調停で1年程度でまとまることが多いです。

1-2. 更正の請求期間5年を過ぎるとどうなる?

公正の請求ができる期間は、相続税納付期限から5年間と決められています。もしもこの5年を過ぎた場合には、基本的には多く払い過ぎた相続税を還付してもらえなくなります。

しかし、例外があり、100%ダメだというわけではありません。もしも後発的な理由によって、5年を過ぎた後に更正の請求を行いたい場合には、「後発的な理由」が起こった翌日から4カ月以内なら、更正の請求を受け付けてもらうことができます。後発的な理由にはいろいろありますが、遺産分割協議が調停でまとまって相続する財産に変動が生じた場合や、新しく遺言書が見つかった場合などが該当します。

2. 相続税の申告内容に問題があるケース

遺産分割協議で揉めた場合、相続人はそれぞれが個別に自身が納めるべき相続税額を計算して、申告納付するという選択肢があります。しかし、個別に相続税申告する場合でも、自身が相続する財産や納税額のみを計算すれば良いというわけではなく、他の相続人の分に関しても納税額を計算しなければいけません。話し合いがまとまらずに揉めている状態で、それぞれがお互いの相続税額を計算するわけですから、それぞれの申告する税額が完全に一致しないのが普通です。

2-1. 納税額の不一致では、税務調査が入る

その場合、相続人ごとの納税額が一致しない申告書類は放置されることはなく、税務署では税務調査を行うことによって、納税額の不一致を解決しようと試みます。税務署の発表によると、毎年約1万2千件程度の相続税に関する税務調査が行われていて、その80%は申告漏れの指摘を受けています。

2-2. 悪質な場合には重加算税がかかるケースも

遺産分割協議で揉めていたことが原因で、税務調査が入るケースが多く、税務署は相続税の計算に関してもプロフェッショナルですから、税務調査が入れば、とても高い確率で相続税申告の誤りを指摘され、延滞税や過少申告税などの追徴課税を支払うことになるでしょう。

申告の誤りの中には、意図的に相続遺産を隠蔽するなどの悪質なものがあります。もしも悪質だと見られた場合には、課税されるべき相続税に対し、35%が重加算税としてさらに追加されることになってしまいます。注意してください。

2-3. 弁護士や税理士に相談して、期限に間に合わせることがマスト

相続税申告は、相続があると知った翌日から10カ月以内と期間が決められています。その期間内に、相続に関するさまざまな手続きを行わなければいけません。遺産分割協議で揉めてしまうと、なかなか手続きが進まずに、時間ばかりが経過してしまう事態にもなりかねないでしょう。

その結果、十分な準備ができずに相続税申告を急いで行ったために、申告に誤りが発生してしまうことも多いのです。どんなに揉めても相続税の支払いは待ってくれないことを念頭に入れて、揉めている最中でも、まずは、弁護士や税理士に相談しながら、期間には余裕を持った対応をしたいものです。親族間で揉めるというトラブルを回避することはできなくても、相続税納付に関して、自身がトラブルに巻き込まれることは回避できるのではないでしょうか。

3. 相続税のトラブルを回避するための対策方法とは?

遺産分割(相続)で揉めると、相続税納付がスムーズにいかないので、相続人でみんなが損をするということになりかねません。ですから、遺産分割では揉めていたとしても、相続税の支払いに関しては、ある程度協力しながら行うことがトラブル回避につながります。具体的に、何をすれば良いのでしょうか?

3-1. 相続税申告を別々にする際にはコピーを共有

遺産相続で揉めている場合には、相続税申告を相続人が別々にするケースが多くなります。別々に申告することは法的にも認められているので、問題はありません。しかし、別々に行う場合でも、上記した通り、他の相続人の相続税についても記載が必要なため、相続税額の不一致によって、税務調査が入るなどのトラブルが起こりやすくなってしまいます。

このトラブルを回避するためには、相続税申告書のコピーを相続人同士が共有し、それぞれの相続税納付額が一致するように注意すると良いでしょう。揉めていてお互いに顔を合わせたくなくても、それぞれが税理士と契約していれば、税理士間で情報を共有してもらえるように依頼することはできます。そもそも、正確な申告がベストなので税理士が情報を共有することは依頼すればしてくれるはずです。

こういうとき、相続人に弁護士がついていたら、税理士としても情報の共有はしやすくなりますし、相続人全員が税理士を中立的な専門家としてひとりの税理士に依頼して申告をすることができやすいのです。

3-2. 素人だけでの相続税対策はハードルが高い、必ず税理士へ相談

相続資産に不動産がなく、基礎控除内に収まるなら、相続税を支払う義務が生じません。そのため、あえて税理士に相続税の相談をする必要はないでしょう。しかし、相続資産に不動産があると、基礎控除を超えてしまう可能性は高いものです。しかも、不動産の相続に関しては手続きが難解となることが多いです。そのため、法的な知識や税制に関して詳しい知識を持たない人にとっては、上手な節税対策ができなかったり、申告書に誤りがあって税務調査が入る結果になったりなど、トラブルが起こりやすいものです。

もしも相続資産の中に不動産がある場合、また基礎控除内に相続資産が収まらない場合には、弁護士や税理士に相談しながら、しかるべき対策を講じることが、トラブル回避につながります。

4. 不動産の相続には特別控除を活用しよう

遺産相続では、相続人全員に対して相続税が発生します。例えば、高齢の父親が他界して、高齢の母親が不動産などの資産を相続する際には、今回相続税が発生することに加えて、数年後に母親が他界したら、再び相続人には多額の相続税が発生することにもなりかねません。そのため、不動産の相続は高齢の配偶者ではなく、子供に相続したほうが、相続税の節税になるのではと考える人は少なくありません。

しかし、配偶者の不動産相続に関しては、特別控除など税制面での優遇措置もあります。そうした税制の仕組みを理解して節税方法を知るためには、弁護士に依頼して相続人の希望や意見をまとめて、ひとりの税理士にまとめて申告を依頼するか、税理士が情報を共有できるようにすることをおすすめします。目の前の相続に関して申告の問題を解決できるアドバイスをくれるだけでなく、将来の相続に関しても適切なアドバイスをもらえます。税理士は、相続税の相談はできますが紛争は嫌うので、相続全般に関して窓口となってくれるのは相続専門弁護士と言えるでしょう。そうして、交渉か調停で解決したら、税の還付が可能となります。

遺産分割協議が簡単にできそうもなく、税務申告ができなくて困っている方には、当事務所では、無料相談をしておりますので、ぜひご予約ください。東京の霞が関のオフィスですが、オンラインで全国の事件の対応をしております。

記事監修者 弁護士 松野 絵里子
記事監修者 弁護士 松野 絵里子

記事監修者: 弁護士 松野 絵里子

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