相続・遺産分割

相続の弁護士費用とは?どのくらいの費用がかかるか?

相続に関する問題をスムーズに解決するために、法律のプロである弁護士に頼るメリットはたくさんあります。でも、その際にはどのくらいの費用がかかるのか、費用の内容と相場を知っておくと安心です。細かく費用の内容をチェックしてみましょう。当事務所では相続事案の成功報酬金について、3%(2000万円を超えた部分)という、この業界においてかなり低額な弁護士費用となっているのでそのご説明もします。

1. 相続手続を弁護士に依頼するメリットとは?

親が子どもに財産を遺してあげるというのは、一つの家族の絆の証でもあります。しかし、時には遺産を巡ってトラブルが発生して、逆に家族の絆が壊れてしまうことがあります。また、遺産相続には様々な法律が関係していますので、複雑な手続きが必要となります。そのため、遺産相続をスムーズに行うというのは簡単なことではなく、多くの場合専門家の助けを必要とします。相続に関するサポートを与えることができる専門家としては、やはり専門的弁護士が大きな役割を果たしてくれます。

弁護士による遺産相続のサポートはいろいろな分野に及びます。まず、生前に遺言書を作成することから始まります。相続で揉める原因の多くは、誰がいくら相続するか、現実には不動産、株式、預金、などいろいろあって、決めるのが難しいという点にあります。その点、しっかりと遺言で指定をしておけば、かなりの程度トラブルを避けられることになります。弁護士は、遺言がない場合、法的に有効かつ本人の意思をきちんと反映し、遺族へ公平に資産を分配できるようにサポートしてくれます。

相続が発生したら、遺言がある場合には、弁護士は執行をサポートします。遺言書の確認から、相続に関する行政上の手続きの支援や代行などをしてくれます。特定の遺族のサポートをすることもできますし、遺留分がある場合その請求をしてくれます。スムーズに遺産が、遺族全員の間で最終的にわけられるようにまとめられるように、サポートをするのです。

もし、相続の内容で意見がまとまらないとき、相続人の代理人となって、遺産分割に関して代理交渉をするのも弁護士の役割です。同じように、法律に基づいて、遺留分侵害請求をするためのサポートをすることも可能です。

代理人となったら、その弁護士は依頼者のためにベストとなる方法を考え、ベストとなる主張をみつけて証拠を探しだして、裁判所でそれを裁判官にみてもらう活動をします。

故人が借金を抱えていたとか、相続税がかなりの負担になってしまうという場合には、相続の放棄をするケースもあります。こうした場合にも、弁護士は放棄をした方がいいのかどうかの判断をする助けを与えてくれます。具体的な手続きの進め方をアドバイスしてくれたり、手続きを代行してくれたりすることもあります。

このように、相続に関するトラブルと一口に言っても、いろいろなケースが考えられます。その点、専門的な弁護士は、正確な法律知識と豊富な経験から、その依頼者にとってベストになるような、解決策を提示してくれますし、複雑な手続きを代行してくれます。そのため、自分に有利な条件で相続ができたり、時間を無駄にすることなく作業を進めたりできるというメリットが生まれます。また、その道のプロに代理交渉をしてもらうことで、会いたくない関係者と会わないで解決ができることもありますし、当事者が冷静に話し合い、問題が大きくなるのを防ぐというような効果もあります。さらに、当事者ではまとまらない解決策を交渉でまとめ、家事審判で裁判所の決定をもらって解決することも可能になるので、迅速な解決が可能となることも多いのです。さらに、当事者の精神的な負担を軽減するというメリットも大木ですね。愛する家族が亡くなったという状況に加え、相続トラブルが発生すると、大きなストレスを感じるのです。そこで、弁護士が面倒な手続きや交渉をしてくれることで、ストレスを軽減して、精神的な疲れを和らげることができます。法律のプロである弁護士がいるというだけで安心感もありますので、実利としてのメリットだけでなく、精神的な利点はとても大きいものです。

実際に当事務所の依頼者からは、相続問題の代理人となった事件では、自分ではこんな主張はとてもできなかった、こんな解決策を考えつくことはできなかったという感想をいただいています。

第三者が間に入ることで、当事者同士の話し合いが冷静にでき合理的解決ができることもあるのです。本人同士だとどうしても感情が先行してしまったり、法的なルールがわからないので自分の言い分が通るのもかもわからないまま、話がまとまらなくなる危険があります。相続を境に、仲の良かった家族、親族が分裂してしまうのでは悲しいことです。そこで、デリケートな問題でもある遺産問題を弁護士の仲立ちで進めることで、トラブルを避け、それぞれが納得した状態で解決できる、自分の正当な利益を実現できるというのは大きなメリットと言えるでしょう。

2. 相続(遺産分割)で、弁護士にかかる費用は?相場はいくら?

このように相続に関する処理を専門的弁護士に頼むというのは、大きなメリットがあることです。しかし、弁護士に依頼すると、多額の費用がかかってしまうのではないかという不安を持つ人は少なくありません。そこで、ある程度の費用相場を知っておくことは重要です。

ここで覚えておきたいのは、弁護士の手数料というのは、一定の業務を除いて、ほとんどの場合、規制されていないので自由に決められるということです。弁護士が各自報酬を決めて良いことになっています。相場と言ってもあくまでも目安の一つであり、実際には弁護士ごとに違うわけです。こうしたことから、依頼をする際には、事前に費用について確認し、個別に費用を確認して自分で決定することが重要です。

明確な相場がないとはいえ、ある程度似たような費用を提示している事務所も多いので、それを参考にすることができます。

相談料

最初に、弁護士に問題を持ち込んで相談をすることで、相談料がかかることがあります。事務所によっては、初回の1時間から30分程度の相談は費用負担なしとしているところもあり、気軽に利用できます。有料の場合は、30分単位で計算されていくという事務所が多く、その費用は30分で「5000円から1万円程度です。

着手金

弁護士の手数料には、多くは、着手金というものがあります。

これは報酬の一部を前払いするといったイメージの手数料で、依頼をした時点で支払うことになります。着手金は報酬の一部ですので、返金されることは通常はありません。その金額は、相続についてどんな業務を依頼するか、相続額がどのくらいになるのかによって、かなり大きな差が出てきます。相場としては10倍くらいの差が出ることもあります。

たとえば3000万円程度の相続の案件で、30万円の着手金の事務所もありますし、8%程度つまり240万円の着手金の事務所もあるのです。専門性が高い事務所が高いのかというとそうでもなく、専門性が高い事務所はかえってそういった案件に慣れているので、意外にも安いこともよくあります。着手金を請求しないで、時間制の請求をする事務所も多くなっていますので、事前にそもそも着手金がかかるのかどうかを確かめてみましょう。その上で、依頼したらいくらの着手金がかかるのかを明確にチェックしましょう。

日当

半日で3万円~5万円、1日で5万円~10万円程度が多いでしょう。これは弁護士が裁判の期日に出廷するというような活動についての報酬です。WEB期日もあるので、法律事務所を離れて活動する場合のみではありません。この金額は 法律事務所によって異なりますし、着手金に最初の3回期日は含まれるというような事務所もあります。

成功報酬

弁護士費用の最も大きな部分が、報酬金(成句報酬)と呼ばれる手数料です。これは多くの場合。相続で得た金額の何パーセントという形で計算されます。

遺産分割で紛争が起きていて、できるだけ多くの相続をしたいということで弁護士を依頼するのであれば、すでに交渉で実現した金額より増えた金額の何パーセントを報酬金とするという形で決定することもありえます。しかし、交渉から弁護士を依頼することが多いので、スムーズに相続事案を解決することを条件として、取得する遺産の金額に応じる場合が標準です。

この報酬金は通常、依頼した内容がうまく行ったら支払いが発生し、弁護士が解決を成し遂げられなかったら報酬を払わないというものです。特に、遺産分割協議の問題を解決するために、代理交渉や調停を依頼した場合には、遺産分割協議がまとまったとき、または、調停がまとまったとき成功報酬が発生することとなります。

標準的な着手金と報酬金:

着手金については上述のように、遺産分割(相続)では、30万円から60万円程度ときまっているような事務所もあります。

経済的利益の額 着手金 報酬金
300万円以下の場合 8% 16%
300万円を超え3,000万円以下の場合 5%+9万円 10%+18万円
3,000万円を超え3億円以下の場合 3%+69万円 6%+138万円
3億円を超える場合 2%+369万円 4%+738万円

「交渉」の場合には、一定の減額がある場合もあります。

「交渉」、「調停」は別の手続きとなるので、「交渉」の後に「調停」となるような場合には、新たに「着手金」が必要となる場合がおおいです。

実費

弁護士への報酬としては、こうした内容の費用がメインですが、さらにいわゆる実費がかかってくると、請求されます。たとえば、裁判所や税務署での手続きをする際にかかる印紙代や、書類作成代などです。また、調査や代理交渉のために出張しなければならない時、必要となった交通費やホテル代なども請求されます。同じように、出張日数にかかる日当が別途加えられることもあります。

こうした実費は、報酬の中に含めることは珍しく、別払いとされるのが通常です。実費は相続の場合、印紙と郵便切手なので1万円を超えませんが、鑑定をする場合かなりの金額になります。事前に、実費が出てくる場合には、協議してほしいということを伝えておくとよいです。大まかでも良いので、いくらくらいになりそうかを見積もってもらうのもよいでしょう。

タイムチャージの場合

弁護士費用のうち、企業法務の標準がタイムチャージ制です。これは、担当弁護士が実際に案件にかけた時間(移動時間も含みます。)に基づいて費用を算出する方法で、「作業時間 × 時間当たりの料金」というシンプルな計算式で料金が決まります。この方法の利点は、費用の透明性と柔軟性であすが、成功してもしなくても課金されるため一般的には相続では好まれない傾向があります。

タイムチャージの相場は、1時間あたり2から7万円程度であり、複数の弁護士が関与すると高くなる傾向があります。単価は、経験値が高い弁護士が通常、高くなります。事務所によっては、弁護士のみではなくパラリーガルの仕事についてもチャージをする場合もあります。具体的な金額は各弁護士・法律事務所が独自に定めており、事件の種類や難易度、担当者などによっても単価が増減することがあります。

タイムチャージ方式を採用する場合、原則として毎月または数か月に一度集計されて、請求されます。

3. 具体的な成功報酬金の計算(サンプル)

当事務所では、成功報酬金の割合を標準的な場合より、かなり低率にしていますので、そのご説明をしつつ、具体的な成功報酬額を計算してみましょう。

当事務所では2000万円までの部分について10%、それを超えると3%という低額な割合となっております。

あなたが2000万円のマンションと1000万円の株式、1000万円の預金を遺産として取得した場合を考えてみましょう。遺産分割での経済的利益は4000万円です。

標準的な報酬体系の場合には、どうなるでしょうか?

6%に138万円を足すので、240万円+138万円となり、378万円となります。

<当事務所の場合の成功報酬>

2000万円を超えた部分は3%ですので、200万円+60万円となり260万円となります。

あなたが5000万円の株式、2000万円の預金を遺産として取得した場合を考えてみましょう。遺産分割での経済的利益は7000万円です。6%に138万円を足すので、420万円+138万円となり、558万円となります。当事務所の場合の成功報酬は、350万円(200万円プラス150万円)となります。

4. まとめ(当事務所の遺産分割・相続事件の成功報酬額と標準的な場合の比較)

経済的利益の額成功報酬金の標準的場合当事務所の場合
4000万円の遺産の取得の場合378万円260万円
7000万円の遺産の取得の場合558万円350万円
1億2000万円の遺産の取得の場合858万円500万円

なお、特別受益や寄与分の主張がある場合には、当事務所では別の報酬金を頂く場合もありますので、具体的にお問い合わせください。

弁護士 松野 絵里子

プロフィールはこちら >>

◆ 海外案件の経験が豊富
━━━━━━━━━━━━
国内最大手での経験を生かし、得意な語学力で複雑な家事事件から英文契約の確認などの企業法務まで経験豊富です。

◆身近で高品質な法律事務所
━━━━━━━━━━━━
高水準の品質の法律サービスを、リーズナブルに提供いたします。

◆依頼者の立場にたち共に最適な解決の道
━━━━━━━━━━━━
依頼者の立場にたち、共に最適な解決を目指して日々研鑽しております。

Home
Mail
相談予約
Search