労働問題

セクハラ社員を解雇できるか!辞めさせるためのポイントは?

セクハラ問題は、対応を誤ると企業に大きな不利益を長期間もたらしてしまう恐れがあります。かといって、セクハラ社員を解雇するのは簡単なことではありません。日頃のセクハラ対策やスムーズに辞めさせるための対策の強化などが求められます。

1. 百害あって一利なし?セクハラ社員を辞めさせる重要性

セクハラ社員は百害あって一利なしと言い切ってもよいでしょう。時代がセクハラを許さない状況になっています。もし、社内にセクハラ社員がいて、セクハラ行為が露見すると、会社内のトラブルだけでは済まず、社外にまで広がって関心を集めてしまう恐れも出てきます。

「あの会社はセクハラが横行している」といった評判は、会社のイメージを破壊的に損ねてしまうでしょう。女性を主な顧客としている業種では、それが致命的なものにもなりかねません。

しかし、そんな重要なセクハラ対策が十分に進んでいるのかとなると、疑問符がつくのが現在の日本社会の現状です。それは、会社側がセクハラ社員を解雇するのが難しいこともありますし、会社そのものがセクハラに対する意識が低い面が原因として見られることもあります。

男性社会では「この程度がセクハラなの?」と感じられるようなことも、社会では立派なセクハラ、そうした意識のズレが、ますます会社のイメージを損ねてしまう恐れさえもあるので気を付けたいですね。

もし、セクハラの問題が社内で露見化した場合には、断固とした態度で処分に臨む、現代の経営者にはそれくらいの姿勢が求められています。

2. 断固とした態度が必要なセクハラ社員対策

では、セクハラをする社員をどう扱ったらよいのでしょうか?どうしてもうやむやに済ませてしまう傾向があるのが日本社会の特徴ですが、解雇を含めた断固とした処分をしないと、その後でさまざまな面で企業に悪影響を及ぼすことになります。先述した企業のイメージの低下はもちろんのこと、社内環境の悪化、さらには業務の効率・能率ダウンといった問題を引き起こし、経営にも悪影響を及ぼしかねません。

根強く男性中心の考えが残っていると言われる日本では、上述したようにセクハラに対する意識そのものが低く、ある人は当たり前だと思っている女性への振る舞いが、女性にとっては完全なセクハラ、というケースも見られます。ですから、セクハラ社員は意識してセクハラをしているのではなく、本人としては当然だと思っている振る舞いがセクハラになっていることもあるわけです。

こうした社員をそのままにしておくと、社内全体で「このくらいならOKなのだ!」という意識が共有され、セクハラが常態化する状況に陥りかねません。そうなれば、女性の離職が相次ぎ、それどころか女性の就職希望者が現れなくなるといった問題も出てきます。

さらに、セクハラは、パワハラの問題と一緒に生じることがほとんどです。立場が上の人間が下に対して、相手が逆らえない状況でふさわしくない振る舞いをするという点で、完全に一致しているからです。ですから、セクハラを放置しておくことはそのままパワハラを容認することでもあり、世代・性別を問わず、社内でさまざまな問題を抱える会社になってしまうかもしれません。

さらに、セクハラの多くのケースは、ある程度の年齢・地位がある男性が若い女性に対して行うものです。ですから、セクハラを放置しておくことは、立場が上の人間のふさわしくない振る舞いをしているのにそれを放置しておくことでもあり、会社の風紀に悪影響を及ぼしてしまいます。

逆に、会社側が断固とした態度で、セクハラが露見した社員を解雇する、何らかの処分をするという措置に出れば、「うちの会社は、セクハラ・パワハラは絶対に許さない」という姿勢を社内のみならず社外にもアピールできますし、一人一人が安心できる会社になります。ひとりひとりのモラルの引き締めにもなるでしょう。セクハラ社員を放置しないで、解雇することで、セクハラに対する意識の低さを改め、社員一人一人に「どこまでがOKで、どこからセクハラなのか」を意識させるきっかけを作ることができます。

このように、セクハラ行為を放置しておくと社内全体で横行させてしまうリスクを負う一方、断固とした処置をすれば、社内全体でセクハラに関する意識を高める効果をもたらすことができます。しかし、セクハラ行為が露見したからといって、すぐにそのセクハラ社員を解雇・辞めさせることはできません。

3. セクハラ社員の解雇が妥当?

セクハラが見つかったら、その社員の解雇が相当かどうかを判断し、証拠を集めた上で、適宜、解雇通知等の対応を行う必要があります。解雇された側から不当解雇だと訴えられてしまう恐れもあるので慎重な見極めが必要です。

社内でセクハラが露見したら動くのではなく、日頃からセクハラがないかどうかをチェックし、万一露見したときには解雇が妥当かどうかをスムーズに判断できる、あるいは証拠を簡単に集められるような環境を整えておく必要があるでしょう。

常態化しやすい問題だからこそ、会社側も常日頃から準備をしておかなければなりません。そのためにもセクハラ社員を解雇するための方法や手順、解雇する前にしなければならないことなどをしっかり踏まえておきましょう。

4. セクハラとは?

セクハラ問題を難しくしているのは「何がセクハラなのか」の定義が難しい点です。

繰り返しになりますが、男性社会であればあるほどセクハラの定義が甘く、指摘された時に「これがセクハラに当たるなんて思っても見なかった」、さらには「こんなのがセクハラになるなんて生きづらい世の中になった」などと言い出すケースも見られます。まずは「何がセクハラなのか」を社内全体で共有できる環境づくりが欠かせません。

これができていないと、会社側が一方的に「お前はセクハラ行為を繰り返したからクビだ」と通告しても、「私のやったことがセクハラだなんて、これまで誰も言わなかったじゃないか」と反論されてしまう可能性も出てきます。

セクハラだけに限らず、従業員を解雇するためには、客観的な立場で「解雇が妥当だ」と思わせるような理由が必要です。セクハラに関して言えば、2つの考え方があるでしょう。

一つは、社会通念上から見て明らかな不適切な行為を行った場合です。つまり「誰が見てもセクハラでアウト」な状況なら、スムーズに辞めさせることができるわけです。

もう一つのパターンは社内で定めたセクハラの定義・ルールに反した振る舞いをしたケースで、こちらはセクハラの事実だけでなく、勤務態度が不適切な面も合わせて解雇理由にすることができます。社会通念上から見てそれほどひどいセクハラとは見なされない場合でも、その行為が会社の利益に著しく反する場合には、解雇に持っていくことも可能になるわけです。ただ、そのためには具体的にそのセクハラ行為がどれだけ会社に不利益をもたらしたのかを証明する必要が出てきます。

5. セクハラには二種類がある

一般の企業で見られるセクハラには、多く分けて2つのタイプがあります。ひとつは「環境型セクハラ」と呼ばれるタイプで、職場での日常的な言動がセクハラ行為に当たるケースです。よく指摘されることが多いのが、女性に対して「まだ結婚しないのか」「子供はまだできないの?」といった質問をするパターンです。

露骨に性的な言動をする行為も該当します。さすがに現代では少なくなりましたが、男性が部下や後輩の女性に対して過剰なボディタッチをしてくる行為はまさに典型的なものですし、本人が不快になるような容姿の特徴を口にするのも環境型セクハラの一種です。「おっぱいが大きくていいね」「お尻のラインが素敵だね」など、「おっさんのセクハラ」とも言えるようなパターンを典型的な例として挙げることができるでしょう。

さらに、環境型セクハラは社外にも及ぶケースがよく見られます。例えば、若い女性社員が中年社員の飲み会に断れない状況で参加させられる、従業員同士の飲み会で女性が酌をするなど奉仕をするような立場を強いられる、酔った勢いで過剰なボディタッチや性的な言動を繰り返す…こうした例が厄介なのは「お酒の席の話だからいいじゃないか」「酔っていたのでよく覚えていない」など、居直られてしまうパターンが多い点です。しかも加害者に注意するどころか、周囲の人たちまで被害者をなだめにかかるケースも見られます。むしろ酒の席での振る舞いを咎める被害者の方が「無粋だ」などと責められてしまいかねません。

この環境型セクハラは企業のセクハラ意識、さらには男女平等への意識が問われる部分でもあり、特に経営者は注意しなければならないでしょう。日常的なセクハラの言動は本人が意識せずに行っていることが多く、しかもそれは本人の意識の問題だけでなく、会社の風土・環境とも関わってくるからです。ある会社では絶対に許されないセクハラ的言動が別の会社ではごく普通に行われている、といったケースもよくあるものです。

環境型セクハラが多い職場はセクハラ社員が多いだけの話ではなく、セクハラが起こりやすい職場環境を抱えている可能性も高いわけです。そうなると、万一セクハラ問題が深刻化した場合、会社がセクハラ社員を解雇するだけでは済まなくなる可能性もあります。これは後述するセクハラ対策への取り組みともかかわってくるものですが、被害者の側から「会社がきちんとしたセクハラ対策をしなかった」と訴えられてしまう恐れも出てきます。つまり、会社もセクハラの加害者になってしまうわけです。

そして、もう一つのタイプが「対価型セクハラ」と呼ばれるものです。こちらは環境型と比べてより深刻な事態に発展することが多い上に、会社側が把握するのが難しい面も持ち合わせている、非常に厄介なタイプでもあります。

対価型、つまり「セクハラに対して何らかの対価が用意される」パターンのことを言います。こう書くと、まるでセクハラを受ける側が対価を目的に性的な行為を受け入れるような印象を受けますが、実態は正反対で、セクハラ行為を拒否することによって、不利益という形で対価を受けてしまうケースを言います。

もっともわかりやすいのは、上司から性的な関係を要求された女性がそれを拒否した結果、上司の立場を悪用した嫌がらせを受けるようになるパターンでしょう。さらには、左遷・降格、異動、減給といった、かなり露骨な行為に出るケースも見られます。最悪の場合には解雇処分を受ける事例も見られます。

この対価型は、セクハラをする側が単に地位・立場が上なだけでなく、被害者に対して何らかの影響力を行使できる立場にあり、それを悪用することで行われるのが特徴です。厄介なのは、こうした状況にある場合、セクハラを受ける側は断るのが難しく、さらには被害を受けても表沙汰にするのが難しく、結局泣き寝入りをしてしまう恐れがあることです。

性的な関係を要求され、それを拒否すると降格されてしまう、あるいは性的な関係を強要された後にそのことを会社に告発すると、降格や解雇などの嫌がらせを受ける、断っても受け入れても被害者の立場になってしまう…非常に卑劣なセクハラ行為と言えるでしょう。

この対価型には、セクハラする側とされる側による当事者同士の問題だけにとどまらず、周囲の人を巻き込んでしまうケースも見られます。上司のセクハラ行為を知った同僚が被害者を助けるために会社に通告する、上司に直接警告するといった行動に出た場合、この同僚も解雇や降格といった嫌がらせを受ける可能性があるのです。この同僚は直接のセクハラの被害者ではありませんが、対価型セクハラの一環として扱うことができるでしょう。

こうした特徴を見ても、対価型は会社・経営者側が状況を把握するのがとても難しい問題点を抱えています。被害を受けた側が報復を恐れて口を閉ざしてしまうだけでなく、例えば被害を受けたのが女性の場合、セクハラの告発がそのまま本人の名誉や評判を大きく損ねてしまう恐れが出てくるからです。ですから、被害者が口を閉ざしてしまうことで情報を入手しづらく、事態の把握が困難になってしまうのです。

被害を受けた側が会社に報告・告発をした場合でも、その事実をどれだけ表沙汰にできるのかという問題も出てきます。セクハラ・パワハラなど、従業員の不適切な振る舞いを理由に解雇する場合、客観的に見て、その人が解雇されるに足る問題を抱えていることを証明する必要があります。例えば、解雇を通告された本人が納得せずに不当解雇の訴訟を起こした場合、セクハラの実態を証拠として提出する必要も出てくるでしょう。それが被害者の評判や名誉を損ねることにならないか、会社側は得た情報を慎重に扱う必要が出てくるのです。

6. セクハラへの対応には、企業のモラルが問われる

環境型・対価型いずれにしろ、加害者よりも被害者が苦労したり、傷ついたりするような形での解決は絶対に避けなければなりません。そうしないと、加害者が解雇に納得せずに居座り続け、被害者の側がうんざりして退職してしまうことになりかねません。それは「この会社はセクハラ問題を解決できない」「弱い立場の人を苦しめるような環境の会社」といった大きなマイナスイメージを抱えることになります。

その意味では、セクハラへの対応は企業の姿勢やモラルなどが問われる場面です。

一つの対応の失敗が、企業イメージに取り返しのつかないダメージを与えてしまうことになりかねないので、セクハラ行為そのものが会社にもたらす不利益よりも、セクハラへの対応の失敗がもたらす不利益の方が大きくなってしまう可能性さえもあります。

このセクハラの対応に関しては「会社にも責任がある」点を踏まえておく必要があります。先述したように、会社の環境・雰囲気がセクハラを横行させるような状態にある可能性がありますし、日頃からセクハラへの対応をしっかり行っていないと、いざセクハラ問題が深刻化した時に被害者側から「会社はこれまでちゃんと対応してくれなかった」と批判されてしまいます。さらには、加害者側からも「これまで他のやつらもこれくらいの行為をしていたのになんで自分だけセクハラ扱いされるんだ」と居直られる恐れさえ出てくるのです。

男女雇用機会均等法では、企業側はセクハラ行為に対して被害に遭っている当事者からの相談に応じた上で、適切に対処することが義務付けられています。これはセクハラ当事者への個別の対応だけでなく、セクハラの横行を許さない環境づくりも含まれています。

例えば、労働安全衛生法という法律では、企業側が、社員が働く環境を良好に保つために配慮する義務を定めています。セクハラ・パワハラのような一部の従業員が身体的・肉体的な苦痛を味わうような環境を放置していると、会社の責任が問われることになりかねません。

7. 企業の使用者責任が問われることもある

さらに、民法においては「使用者責任」という概念があります。よく不祥事を起こした政治家に対して、首相の「任命責任」が問われるニュースを耳にしますが、それと似たようなものです。上司がその立場を悪用してセクハラ行為を行った場合、その上司を任命した責任者や会社も責任を問われることになるのです。

こうした「会社側が日頃からセクハラを防ぐための義務」を怠っていた場合には、債務不履行責任という形で責任を追求されることもあります。つまり、会社の側もまたセクハラの加害者として扱われるわけです。セクハラした従業員に対して「会社に不利益をもたらしたからクビだ」するだけでは済まないかも知れないわけです。

言い方を変えれば、セクハラ社員を辞めさせるためには、相手が言い訳ができないよう、日頃から会社がセクハラ対策を行っておく必要があるわけです。セクハラ対策のための啓蒙活動や研修などを日頃から実施する、従業員の相談を受ける窓口を設置する、万一セクハラが発覚した時の処分の内容について就業規則などにはっきりと明記しておくなどが、方法として挙げられます。特に、セクハラ社員に対する処分を就業規則などに明記しておくことは、懲戒解雇する上でとても重要な意味を持ってきます。

8. 適切な解雇セクハラ問題

できるだけ事を荒立てることなくセクハラ社員を辞めさせるためには、どのような点を留意すればよいのでしょうか?当事者だけでなく、周囲も含めた調査をしっかり行うこと、そして行為の内容やその悪質度、回数、過去に同じ理由で処分されたことがあるかどうかなどを考慮した上で、解雇が妥当かどうか、解雇するならどの方法がよいのかを判断することになります。

注意したいのは、懲戒解雇の処分を下すのは難しいケースがある点です。会社側がこの権利を乱用しないようにさまざまな制限が設けられているので、懲戒解雇をするためにはセクハラの内容について十分に把握し、証拠を集めた上での判断が必要です。これが十分ではない状況で懲戒解雇に踏み切ると、明らかにセクハラ社員に非があるにも関わらず、不当解雇として裁判で無効の判決が出てしまうので気をつけましょう。あるいは、証拠を集めないで判断すると、そもそもセクハラがなかったのにあったと判断してしまったという場合もあり得ます。

では、どのようなケースで懲戒解雇が認められるのでしょうか?間違いないのは、刑法に違反するような犯罪行為を行った場合です。強制わいせつ、強姦など、企業への不利益どころか、社会的にも許されない犯罪を犯した場合は、懲戒解雇が正当化されます。

それから、繰り返しセクハラ行為を行う、反省の色が見られないなどの問題を抱えている場合にも、懲戒解雇が認められることもあります。この場合はかなり直接的な行為、衣服越しに胸や臀部を触る、肩を抱くといった行為を繰り返したケースではないと、なかなか認められない面もあります。誰が見てもセクハラ行為であっても、1回だけの場合、言葉だけの場合は、懲戒解雇ではなく普通解雇に切り替える必要がありそうです。

セクハラによる解雇は本人にとっても非常に不名誉なことにため、抵抗するケースがよく見られます。地位が高ければ高いほどその傾向が見られますから、刑法上の犯罪を犯さない限り、懲戒解雇は難しい、というのが現実です。

その代わりに有効な対策となるのが諭旨解雇、セクハラ社員が自ら退職する方向での説得をしていくようなソフトな形です。

セクハラの加害者がこのまま居座って「セクハラ上司」の烙印を押されたり、刑法上の犯罪として扱われたりする恐れがあると判断した場合、自ら辞めるというケースも十分起こり得ます。被害を受けた側もセクハラの事実を多くの人に知られる恐れがないため、理想的と言えば理想的です。なお、この場合は原則として、会社側は退職金を支払う必要があります。

この諭旨解雇の場合は、きちんと証拠を固め、セクハラの事実を正しく把握した上で、相手にそれを伝えて反省を求めることができるかがポイントとなってきます。どう頑張っても言い逃れができない、そしてその事実が明るみになると本人にとって大きな不利益になることをはっきりと知らせる、事前の証拠集めが非常に重要になってくるでしょう。

こうして見ても、セクハラ社員を辞めさせることはそう簡単なことではないことがわかります。セクハラが露見した場合には加害者への通告や処分、異動などで解決を図り、それではもう解決できる状況ではない場合に解雇を検討することになります。セクハラに対する企業への風当たりが強くなっている状況なので、すぐにでも解雇することで解決を図りたいという気持ちも出てきますが、そんなに簡単にはいかないことは肝に銘じておきたいところです。

セクハラ対策では、弁護士への相談がとても有効です。懲戒解雇・諭旨解雇・普通解雇のどれが相応しいのかの判断、証拠集めのアドバイス、さらには当事者との交渉など、法律のプロの立場からサポートを受けることができます。特に規模の小さな会社の場合、当事者同士の話し合いだけで情報収集や退職勧告などを行うと、感情的になって話がこじれてしまう恐れも出てきます。弁護士が間に入ることで、より客観的に話を進めて、スムーズな解決を目指していくことができるでしょう。

また、セクハラ対策に弁護士を参加させることで、従業員全員に「本気で対策に取り組んでいる」印象を与えることもできます。被害を受けやすい弱い立場の従業員からは心強く思ってもらえますし、加害者になりやすい立場の従業員には警告として機能するでしょう。

この問題は泥沼化すると、企業のイメージの低下だけでなく、職場環境が悪化し、問題のある社員が居残って、会社に貢献している社員が辞めてしまうなどの問題を引き起こします。結果的に、一つのセクハラ問題を解決するために莫大なコストを背負うことになりかねないでしょう。それを防ぐためにも、日常的な対策、さらに万一トラブルが起こった時に早期の対応が可能な環境を心がけたいところです。