日本の在外公館では、家庭問題への対応をしています。
在外公館ごとに支援内容は異なります。
在外公館で入手できる具体的な情報提供支援の一覧が在外公館における情報提供・支援に掲載されておりますが、一般的には以下のようなサポートです。
- 家族法や渉外民事専門の弁護士(可能な場合には日本語が通じる弁護士)、通訳・翻訳者、調停機関、親子交流支援機関、DV被害者支援団体等の紹介
- 安全が懸念される場合の現地関係機関への通報・要請
- 家庭問題に関する在外公館への相談内容の記録の作成及び要請がある場合の相談者への提供
たとえば在アメリカ合衆国日本国大使館では、以下のサイトで情報を提供しています。
子の親権・家庭内暴力(DV)(在アメリカ合衆国日本国大使館)
アメリカ合衆国では、刑法で、父母のいずれもが親権(監護権)を有する場合、または離婚後も子どもの親権を共同で有する場合、一方の親が他方の親の同意を得ずに子どもを連れ去る行為は重大な犯罪(実子誘拐罪)とされてることが以下のように説明されています。
<米国では実子誘拐が犯罪であること>
例えば、米国に住んでいる日本人の親が、他方の親の同意を得ないで子どもを日本に一方的に連れて帰ると、たとえ実の親であっても米国の刑法に違反することとなり、再渡米した際に犯罪被疑者として逮捕される場合があり得ますし、実際に逮捕されたケースがあります。また、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて誘拐犯として国際手配される事案も生じています。子どもを日本に連れて帰る際には、こうした事情にも注意する必要があります。具体的な事案については、適切な相談機関・団体または専門の弁護士に相談されることをお勧めします。(出典:在アメリカ合衆国日本国大使館)
フランス大使館では以下のサイトが情報提供をしています。
フランス大使館による説明の概要
*フランスでは、共同親権が維持されるので、離婚・離別後に、子供と生活を共にしない方の親と子供との関係は、「親権の行使」という観点から重視される。
*子と同居しない親は、当然相手(子供と同居する親)の居住地を知る必要があります。従って、子供と同居する親が住居を変更する場合は、変更後の居住地を、他方の親に告知することが義務付けられています。住居変更について折り合いがつかない場合は、裁判所が調整を行うことになります。変更の通知は、民事上の義務にとどまらず、離婚・離別後、未成年の子供と同居する親が、住居変更を他の親に伝えない場合は、親権行使を侵害したとして、刑事罰(6ヵ月以下の拘禁刑又は7,500ユーロ以下の罰金)を科される可能性があります(刑法典第227-6条)ので、注意が必要です。
*フランスでは結婚中又は同居中、一方の親が他方の親に無断で子供を連れ去る行為はり親権行使の侵害に当たるとして犯罪となる。1年以下の拘禁刑又は1万5,000ユーロ以下の罰金に処せられる可能性がある(刑法典第227-7条)。夫婦間の折り合いが悪くなった場合に、父又は母が、他の親の承諾を得ることなく子供を連れ去って、別のところで子供と生活を始めた場合、子供の連れ去りが暴力等を伴うことなく平穏に行われたとしても、他の親の親権行使を侵害する犯罪であるとみなされる。(出典:在フランス日本国大使館)